後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

小川山にあるお殿様岩の大貧民ルートへ登ってきた

f:id:makotoworld:20140910182149j:plain

6月末にやったマルチピッチ体験に続き、久々のマルチ。

場所

小川山 大貧民ルート(5.7)

大貧民ルートはマルチピッチ(3P)の課題。

廻り目平周辺にある岩で課題のある「お殿様岩」へ。

アプローチは金峰山荘から徒歩で約15〜20分くらい。

お殿様岩へのアプローチ途中に「エイハブ船長」の課題がある「クジラ岩」を通る。そこらへんはボルダ―岩の課題が多い。

段々、森林の中が傾斜になってくる。だから今井先生がポールを持って歩いているんだ。

数分歩いて取付きに到着。ふと壁を見上げると大好物のカバがなく、ほとんどカチばかり。明らかに今のスキルでは登れなさそう。

トポを見ると、イムジン河(11c/d)とスーパーイムジン(12b/c)だった。

微妙にラインが読めそうだけれど、今のスキルじゃまだまだ笑。

マルチピッチシステムの復習

ハーネス等準備し、壁から離れた場所でIくんとマルチピッチシステムの復習。

前回今井先生のマルチピッチ体験以来で実践は久しぶり。本くらいしか復習してなく時間がもったいなくて大いに反省。

今井先生より「まだまだ覚えること多し!」と大烙印をいただく。

Iくんと行った動作のどこか悪かったのか指摘を頂きながら再度行う。

  • フォローがセルフビレイを行う時、スリングでセルフビレイを行うよりロープでインクノットを作ってセルフビレイを行う方が無駄がない
  • リード、フォローそれぞれ手を休んでいる部分が多い、ロープを整理するなどやることがあるはず
  • 登る前に必要なギア類を考えて用意する(登っている途中でスリングやクイックドローが足りないとなっては意味がないので)

大貧民の1ピッチ目はクラック

復習を終えて、大貧民ルートはジャミングするところがあるので、ジャミングの練習。

f:id:makotoworld:20140911153526j:plain

ジャミングするところは1ピッチで大体5mくらい続いてたかな。

成果

大貧民ルート(計5ピッチ、最近の公式では3ピッチ。高さ115メートルくらい。5.7)

ダブルロープで登る。マルチピッチはダブルがほとんどだそうだ。

  • 1ピッチ(短めの優しいクラック)

f:id:makotoworld:20140911153455j:plain

今井先生リード、私フォロー

取付き~クラック、平地まで。クラックがあるところでカムを効かせて終了点を作成してセルフビレイ。

プロテクションは、カムを3か所くらい。

  • 2ピッチ(大体カバ、スラブへ)

f:id:makotoworld:20140911153709j:plain

今井先生リード、Iくんフォロー

平地から右側の岩へ移動、このままスラブ壁の前の立ち木へ。そこで終了点。

プロテクションは、最初にクラックがあるところでカムを2か所、終了点前に立ち木があり、そこでランナーをとる。(スリング+クイックドロー)

  • 3ピッチ(スラブ中心)

f:id:makotoworld:20140911153813j:plain

今井先生リード、私フォロー

2ピッチの終了点の立ち木からちょっと歩いたところで左側にスラブ壁がある。

スラブ壁はコケ等汚れが付着しててうっかりすると足元を滑らせてしまうので注意深くスメアリングを効かせて登る。

登り切ったところで平地があり、近くに立ち木が2か所くらいあるのでそこで終了点を作る。

しかし、立ち木すべてがきちんと根を張っているわけではないので、セルフビレイをとったとしても滑らせて滑落したら木ごと落ちてしまう恐れがあるので注意が必要。

プロテクションは、スラブ壁の途中にクラックがあり、そこにカムをつける。1か所だけだった気がする。

  • 4ピッチ(大貧民ルートの名物チムニー)

f:id:makotoworld:20140911153306j:plain

今井先生リード、私フォロー

スラブ壁を登りきったところから左側に別の岩があるので、そこに乗り移るとチムニーがある。そこに入ると上部に、すごく狭い出口が見える。

ヘルメット、ハーネスにギアを付けたままの状態で出れないのでビレイしてる人に落とさないように手渡ししてハーネスだけ残して登っていく。

手足を少しずつ上へ移動しながらトンネルを脱出する感じ。その先は平地だけど、うっかりして落ちないように注意する。

プロテクションは特になし。

  • 5ピッチ(お殿様岩のてっぺん)

f:id:makotoworld:20140911153230j:plain

今井先生リード、私フォロー

トンネルをくぐった時の後ろにある一番高い岩がお殿様岩のてっぺん。

隣の岩の乗り移って、そのからお殿様岩へ移って、登る感じ。リードする人は岩そのものが狭いため、登っている最中にうっかり落ちてしまいかねないので注意深く登る。

終了点はリング付ハンガーがあり、スリング+環付カラビナを利用。

プロテクションは2番目に高い岩側の終了点にリング付ハンガーが設置してあり、それを利用してランナーをとる。1か所のみ。

  • 懸垂下降の準備

    • 支点にロープを通して下降器(ATC+環付カラビナ)をセット
    • スリング+環付カラビナでセルフビレイ
    • 下降体勢に入り、セルフビレイの長さよりロープを縮めて、体重をかけても支点が壊れないか確認
    • バックアップとしてATCの上にあるロープにプルージックコードをセットし、カラビナでハーネスにつなげる
    • セルフビレイの解除
    • ロープを引っ張る側に環付カラビナをかけて下降

の手順で行った。

  • 懸垂下降(計4回)

    • 5ピッチの終了点から4ピッチの終了点へ。ロープは50m×1本のみ。

    • お殿様岩で2番目に高い岩のてっぺんにあるリング付ハンガーを支点にして3ピッチの終了点へ。50mロープを2本結んで利用。ロープの連結はエイトノット。フィッシャーマンは間違えるとすっぽ抜けるし、エイトノットの方が早い。

    • 3ピッチの終了点から4ピッチへ移動する岩の間にあるリング付ハンガーを支点にして1ピッチの終了点へ下降。2回目の懸垂下降と同様に50m×2本利用。

    • 1ピッチ目の終了点の平地の近くにある立ち木を利用して50m×1本のみセットして大貧民ルートの取り付きへ下降。

所感

個人的にはこのルートの核心は3ピッチ目のスラブじゃないかな?

スメアリングが効かないような感じで慎重に足を運んでいく。

f:id:makotoworld:20140911153351j:plain

4ピッチ目のチムニー内部はなかなか面白い。まじで登るの?って思ったけれど身に着いたものを全て外せば通れた笑

最後に40mくらいの懸垂下降やバランスが取りづらいところでセルフビレイしていると腰が痛くなってくる。

特に懸垂下降はやばくてハーネスが腰に食い込んで痛くなる感じ。

ここ数ヶ月食事に気を使っていた分、筋肉落ちてたのかな。

腰周り、体幹が弱いかもしれないので、鍛えなきゃって思った。

全体的にボルトがなくて岩の裂け目にカムをセットしたり、立ち木を利用してプロテクションをかけて登るので、気持ちよかった。

今回はまだ自分でどの位置にプロテクションをかけるかという経験ができなかったので、次回はそういう経験をしたいなと思う。

f:id:makotoworld:20140911153413j:plain