後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

アイゼントレーニングメモ

アイゼントレーニング?

アイゼンは登山靴の下に装着する登山用品で、雪や氷のある路面を歩くときに滑落しないようにするためにある。

ステンレス製とスチール製の2種類あり、爪の数も4~14爪のタイプがある。

どんな登山靴にもあうタイプもあれば、冬用登山靴しか合わないワンタッチもある。

さて、アイゼントレーニングはなにか。

アイゼンを付けて歩くトレーニングをしないで本番を迎えるのが普通だと思う。私もそうだった。最初は北海道の雌阿寒岳で使った。

今までの経験からして冬山では、アイゼントレなしで登っても大丈夫なところ、大丈夫じゃないところがある。

アイゼンなしで大丈夫なケース

ふかふかした新雪や傾斜のゆるめな場所。

そこはアイゼンが刺さりやすく危険性が低いし、トレーニングなしでもその場の経験で学習できる。

アイゼンなしで大丈夫じゃないケース

雪がまだ岩の上を覆うほど積もっていないところや路面が固い場所。

アイゼンの爪がその路面上をどれだけ引っ掛けさせられるのか、摩擦がどのくらいないのかわからない。

それがいきなり本番だと、やっぱり危険性が大きいし。

本番前にアイゼン使った歩行に慣れさせるために行うことがアイゼントレーニング。

主に岩山の上を歩くことが多い。

雪山シーズンの初めにやるべきイベント

雪山をどう歩くかのトレーニングではなくて(最初はそのトレかと思ってた笑)、岩稜の上をアイゼンで歩く感覚を養うトレーニング。

本チャン(アルパインクライミング)でリードで登るならその歩行技術は必須で、アイゼンが必要になってくるシーズンの初めにやるべきイベントだと感じた。

アイゼントレを意識した経緯

今年の4月末に行ってきた鹿島槍東尾根の第2岩稜では垂直に近く、チムニーというか、ルンゼ状の場所があった。

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上記の写真を見てわかるように、その場所は雪がたくさん降っても、70~80度の壁で雪が積もらないし、雪がつかない。

その場所はもちろんアイゼンで登ろうとすると慣れないうちはアイゼンが刺さらないので滑るようにもがいてしまう。

そういうことから滑落事故が起きてしまう。そうならないために、安全な場所でアイゼンを付けて岩の上を歩く体験が必要。

岩の上をどうアイゼンで歩くかをなれるために岩場でトレーニングしてから行くのが普通のようだ。

アイゼントレーニング冬期登攀に向けてアイゼント... - Yahoo!知恵袋

アイゼントレが可能な岩場って限られていてその一つが丹沢の広沢寺。

広沢寺 | 山と溪谷社のクライミング総合サイト CLIMBING-net クライミングネット

広沢寺はスポートはもちろん、マルチやクラックも出来るルートがあるのでアイゼントレの後、壁登りの経験もできていい。

アイゼントレーニングが可能な場所(2014/11月時点)

下記のリストはアイゼントレ禁止エリアもあるので自己責任で。

トレーニングメニュー(手袋をはめて行う)

※ それぞれの動作に専門用語があるので後で随時アップデートする。

今までの経験、いろいろ調べた結果から自分なりに作ったメニュー。

  • 準備
    • ハーネスの装着、脱着
    • アイゼンを装着、脱着
    • ピッケルの持ち方
  • ピッケルの操作
    • ピッケル(肩掛け、リストループ)
    • ピッケルを使って登る
    • 傾斜での持ち方
  • アイゼンワーク
    • 前爪だけ使って登る
    • 横爪だけ使って登る
    • 急傾斜、トラバース
  • アイゼントレで意識すること
    • アイゼンはあわてると、爪に引っ掛けて転倒する危険がある
    • 引っかける場面(下降時、ラッセル、シリセード等)
    • 急傾斜なところを登る時が特に慣れないと辛い
    • アイゼンで一番難しいのは氷の上、岩の上を歩行する時
    • 滑って滑落してしまうので、滑落しても大丈夫な場所でどんな歩き方がベストなのか慣れておく
  • ロープワーク
    • ビレイの準備、ビレイのプロセス
    • 懸垂下降

さて、週末はそのメニューでやってみる。