阿弥陀岳 北稜へいってきた(2回目)
こないだの土曜日に阿弥陀岳北稜へ日帰りでいってきた。
ルート概要、タイム
赤岳山荘(5:40)~(7:50)行者小屋(8:45)~(9:45)第一岩峰取付き(10:10)~(12:15)阿弥陀岳頂上(13:00)~(14:00)行者小屋(15:00)~(16:00)赤岳山荘
なぜまた阿弥陀岳北稜?
1回目は去年の12月末、天候がよくない状態でIガイドにつれてもらった。
阿弥陀岳 北稜(2014/12) - 後ろむいても何もないよ
今回はIくん、Oくんと初めてアルパインに挑戦しようと思い、行ったことがあるルートということで、阿弥陀岳北稜へ。
赤岳山荘~行者小屋
赤岳山荘から南沢経由で行者小屋へ。
途中に行ってみたい南沢大滝へ行く分岐があるけれどよくわからず。
後でネットで調べると、
- 赤ペンキで書かれた岩の近く
- 通行止めのロープに近くの枝に赤布がついている
らしい。
とりあえずそれらしき分岐点をいくつか写真に収める。
おっ!これは大同心?いい天気やのー。
赤岳西壁がくっきり!今の時間に登攀できたら締まってて最高だろうなあと妄想しつつ。
赤岳山荘から2時間ほど歩いていくと、行者小屋へ。
小屋前の急登?を目に肩を落とすIくん。
親指入ってますが・・w
そんな彼でも、登ればたちまち変わるから楽観して、小休止。
行者小屋でアタック準備
彩のあるテント、準備している登山者たちが賑やか。
ちょっと、オリンパスのタフ使って撮ったんだけれど、色合いの調節がなあ。
実際にはそんなに青っぽくなくて明るかったのに。カメラむずい。
アイゼン、ハーネス、ギア、ロープの準備をして不要な荷物を行者小屋の前にデポする。
準備時間が1時間もかかってしまう。30分程度でささっと準備してすぐ出発できるようにしないと。
阿弥陀岳北稜取付きへ
8時半に行者小屋を出発、文三郎尾根沿いに5~10分ほど歩くと、文三郎尾根と阿弥陀岳北稜への分岐標識を発見。
前回と違って埋もれかかっている。
当然ながら2月だと積雪量が違うので、埋もれ具合が違う。ルートも変わってくるだろうと感じた。
森林限界をまだ越えぬところで、「この道があっているんだろうか」と木と木の間にそびえる阿弥陀岳の北壁を探しながら登っていく。
前回はIガイドと一緒で、ホワイトアウト状態ながらも頼り切りで進んでいた感じ。
おっ、見えてきた。北西稜ではないし、間違いないはず。
今回はあえてスマホのGPS機能を使わずに、地形や25000分の1の地図を使いながらルートファイティングしつつ歩いて行った。
見覚えのある岩峰が近づいてくる。それにしてもドピカーンで、初めて行った時より全体的に広がる景色が壮観だった。
ジャンクションピークからみた赤岳西壁。
横岳、大同心、小同心が見渡せる。
1時間ちょっとで第一岩峰の取り付きへ。
第一岩峰~第二岩峰
第一岩峰についたらその先も2パーティ見かける。
どうやら先行パーティは1ピッチ目は直登ではなく巻いているようだ。
せっかくなので、巻かない形で直登するルートに挑戦。
1ピッチ目はうちがリード、Oくんがセカンド、Iくんがフォロー。
全ピッチの中で1ピッチ目の直登が核心っぽい気がする。でも優しめ。
終了点は、2つのボルトがあるところ。
もちろんダブルロープだけど、体調があまりすぐれなかったせいか、ビレイしている時重く感じた。
2ピッチ目はちょっと巻く感じで、ちょっとしたナイフリッジを超えて、第2岩峰の取り付きが終了点。
1ピッチ目に慣れていけば、2ピッチ目は余裕で登れそう。
全長8m位のナイフリッジはバランスさえしかっりすれば渡れるけれど、ホワイトアウトだとどうだろう。
3ピッチ目の終了点はスタンディングアックスビレイ。
アイスバイルでやっていたので、ストック部分の先っぽがピッケルよりも大きいし、なかなか最後までアックスが入りにくく苦労した。
ようやくセットし、ビレイ。
ダブルロープ状態のスタンディングアックスビレイってマジ死ぬ。。気を緩められないので最後の最後まで踏ん張る。
その後は直登で大きく巻いて言ったパーティが手を振って歓迎しているのではないか。ありがとう。
阿弥陀岳 登頂
無事に全員登頂し、グータッチ。
廻りを見渡すと・・・。言葉にならない。
その日は超がつくほど快晴で、雲一つもなかった。
もちろん、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、富士山まで見渡せたのだ。
興奮しつつ、プチ撮影会。
多分、これ奥穂高岳あたりかも。
赤岳、男前だねえ。
そろそろ下降しようということで、来た道をこのまま降りようとしたら後続パーティがいたので、中岳沢経由で降りて、行者小屋へ。
行者小屋で大休止し、16時には赤岳山荘へ。
疲れを癒すために近くの「もみの湯」へ寄った。17時過ぎると料金が安くなるのでオススメ。いい湯だったよ。
お互いの動きが見えないリスク
北稜の1ピッチ目、2ピッチ目の終了点はクライマー、ビレイヤーお互いに見えない位置で離れている。
聴者ならお互いの確認コールがあって動作の確認ができる。
しかしろう者の場合は、サイレント状態で物事が進んでいく。
初めてマルチピッチシステムをIガイドに教わった時は疑似マルチを1回、次は本番でお互いに見える位置でマルチピッチ。
その次は大貧民ルートでお互いに見えなくなるという経験を初めて味わった。
見えなくなるということで、想定できることは
- ロープの流れがリードが終了点についてロープ回収しているっぽいので、ビレイ解除のタイミング
- ロープの流れが良くなったと感じても、まだ登っている最中かもしれないので、すぐビレイ解除してはならない
- ロープの流れがしばらく止まっているというのはクライマーが中間支点の構築の最中か、終了点についたと想像できる
クライマーが結構長めのナイフリッジの先にある終了点へ歩いている最中に、ビレイ解除されてしまったら?
ナイフリッジを渡っている最中にバランス崩して崖を滑る落ちてしまうリスクもある。
それだけではなく、クライマーがナイフリッジを渡っている最中に墜落した時、フォローが「ビレイ解除して」という意味でロープを引っ張っていると勘違いしてビレイ解除したら?
そういうケースも想定していかねばならないなあとこの記事を書きながら感じている。
そういうリスクを常に仲間たちの中で想像しながらそういったリスクに対してどうすべきか話し合う時間を作る必要があるなあと。
所感
ダブルロープでアルパインは今回が初めてで、色々と反省点が見つかり、良い経験になった。
Iくん、Oくんありがとう。
もっと貪欲にもがきたい。