後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

「アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由(山野井泰史 著)」を読んだ

アルピニズムと死  僕が登り続けてこられた理由  YS001 (ヤマケイ新書)

アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由 YS001 (ヤマケイ新書)

目次

  • 第1章 「天国に一番近い男」と呼ばれて
  • 第2章 パートナーが教えてくれたもの
  • 第3章 敗退の連鎖
  • 第4章 2000年以降の記録より
  • 第5章 危機からの脱出
  • 第6章 アンデスを目指して

所感

尊敬するクライマーの一人。

山野井泰史氏のパートナーの一人だった野田賢さんが鹿島槍北壁で滑落による事故が発生した矢先の出版。

どういう心境で書いていったのか、興味深く待っていた。

山野井氏の山記を読んでいて思うことは、紙一重のクライミングしていて、必ず生きて帰るということ。

注意深く、そしてあきらめない。

何故、彼が今まで民衆の心に残る登攀を続け、しかもある程度かじっているヤマヤなら、山野井氏が歩んできた軌跡がどれだけ難しく、どれだけ勇気が必要で、どれだけ注意深くしなければならないのかを知っている。

そういうギリギリのクライミングを続け、生還する。

そこに山野井氏の魅力があり、どういう心情を持って本番に挑んでいくのか、登り終えた時の彼の行動はどういうものなのかを読むことができる一冊。