後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

赤岳ショルダーリッジ右へいってきたつもりだった

3/14~3/15、Oくんと赤岳西壁へ。

行者小屋へ

3/14は用事のため、ベースキャンプとなる行者小屋には18時着とちょっと遅めの入山。

18時着にもかかわらず、明るい。

曇りだからあまり人いないなーと思ってたら、

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テン場のむこうでは15張りくらいあった。

行者小屋の受付にテント代一人1000円納め、さっさと場所きめてテント設営。

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今日は寒いからパワー付けようということで、「キムチ鍋」を提案(笑)

小淵沢IC出口の右側にスーパーがあるので食材を調達。

こんな感じのキムチ鍋!

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初めてメスナーテントで二人で入ったんだけれど、ほぼ腰曲げっぱなしだった。。狭かった。。

美味そうに頬張るO氏。

でも食材選びを失敗してて辛いのか酸っぱいのかわからない味でちょっと食べられず、ほぼO氏が処理してくれた。。

ありがとう汗

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メスナーテントは1層で防水透湿素材がふんだんに使われている。

室内の湯気があっという間に結露してしまい、テント内はグローブがくっつくくらい。。

その後明日挑戦する予定のショルダーリッジ右の資料に目を通して作戦会議。

翌朝、悪天候だと、取付きの様子がはっきり見えるだろうか。いろいろ考えながら眠りにつく。

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ちょっと足元が寒くて何回か目が覚める。

テント内の結露が凍っててそれがザック+シュラフカバー+シュラフ+ウールソックスを超えて寒気が伝わってくる。

恐るべし。見直さないと。

いざ、ショルダーリッジへ

4時半過ぎに起床し、朝食&準備。

5時半の阿弥陀岳。

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6時には行者小屋を出発。文三郎尾根を登るパーティを見かける。

今回は赤石沢からのアプローチ、文三郎尾根から下降トラバースするアプローチがあるが、初めてなのと雪崩が怖いので後者を選択する。

文三郎尾根を登っている最中、後ろを振り返った時の風景。

ちょっと曇っているけれど今日はいい天気かも!?

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文三郎尾根の左側は、2月末に登ってきた阿弥陀岳。そこに登攀しているパーティもいた。

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今日登るルート。左からショルダーリッジ、北峰リッジ、南峰リッジ。

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取付きがわかるかなあと思っていたら、北峰リッジへの取り付きにはトレースもついてて4~5パーティが取付いている模様。

うちらが登るルートは北峰リッジの向こう側にある壁のショルダーリッジ。

まずそこへ向かう。

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ショルダーリッジの下部壁へ慎重に下降しつつトラバース。

懸垂下降すべきか迷ったけど、雪質の固さからピッケル&アイゼンで下降。

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北峰リッジの下部壁を超えてショルダーリッジ下部壁付近にあるF1周辺に到着。

赤石沢からアプローチしてきた先行パーティがいた。

しかし彼らはショルダーリッジ右ではなく、北峰リッジの渋滞を避けて2ピッチ目から入るようだ。

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途中で、シュカブラを発見。確かに風強かった。

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おや、谷の向こうから白煙が。

これが!!まさかのチリ雪崩!!

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気を取り直して、取り付きへ向かって徐々に進む。

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そこで壁についている雪やビレイヤーが立ちやすいように足場を作る。

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しかし、取り付きにくい。

本当にここだろうか?

雪が降っていて本来の取り付き場所が変わってきた?

岩が崩壊して難易度増した?

あれこれ思考を巡らしながらライン探しをしたり、アイスバイルを振りながら足場を作る。

ここ1時間くらいは同じ場所を何回も往復してる。

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このままじゃ時間が過ぎるだけだし、やむなく先行者と同様に北峰リッジ2ピッチ目から取り付くを決意。

北峰リッジへ

とても素敵なルート。

スタカットも含めて6~7ピッチ。

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北峰リッジの最後の登り。

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全体的に2~3時間程度で登攀できそうだったが、力不足で、5時間はかかった。

後ろに見えるのは横岳、硫黄岳。良い天気。

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14時10分に赤岳北峰に到着。

6時に行者小屋を出発、8時間くらいかかっている計算。

「登ることはなんなのか」

いろいろ考えさせられた。

赤岳北峰登頂、地蔵尾根へ

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向こうに見えるのは赤岳展望荘。はじめていく小屋。

今回のクライミング結果に対して、色々思考をめぐらす。

「不完全燃焼」に近い後味が悪いものが付きまとっている感じ。

何故そんなに時間かかってしまったのか、この日まで準備など最大限にベストを尽くせたのか。

それを振り返ってみると思い当たる原因が浮かぶ。

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赤岳展望荘の入り口。閉まってた。今年の冬季は2月末までの営業。

単純に言えば、こう言える。

「山に対して謙遜でなかった」

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赤岳展望荘にあったアンテナたち。

ここに辿り着いたときはそんなにふぶいていなかったけれど、エビのしっぽが立派。

「もっといろいろすべきことがあるのでは?」

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地蔵尾根分岐。お地蔵様がたっていました。

「背伸びしている感じでこのルート選んだわけではなかったけれど、何か悔しい」

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同行者に感謝しつつ、今後の自分のクライミングをどうすべきか考えながら帰途につく。

同行者に撮ってもらったもの。

その時の自分は何を考えてビレイしていたんだろう。

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帰宅後、今回撮った写真から資料と照らし合わせて調べた結果、赤線のルートが正しかったようだ。

青い線のルートが今回登ったルート。赤い丸が2か所あるが、その辺りを登ろうと取付いた場所。

私から見てたぶん、Ⅳ+~Ⅴかなぁ。

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尊敬するクライマーがこう言ってた。

「赤岳西壁はいろんなアプローチ、どこからでも取り付ける面白さがあるからいい。」

うんと力付けてまた訪れたい。

日程

  • 3/14
    • 美濃戸口(16:00)~南沢~行者小屋(18:00)
  • 3/15
    • 行者小屋(06:00)~文三郎尾根~トラバース地点(07:00)~ショルダーリッジ右取付き~北峰リッジ(1P目終了点)~北峰登頂(14:10)~地蔵尾根分岐(14:30)~行者小屋(15:15)~南沢~美濃戸口(17:00)