倉上慶大氏
瑞牆山にある手つかずの壁、モアイフェースにトラッドマルチを拓いた。
拓いたルートは「千日の瑠璃」(5.14a R/X)。
このグレードを見るだけで、目眩がする。
いまだに11でハァハァなのに、14でしかもトラッド、前後のピッチでさえ12+~13もある。
彼を知った経緯は、お世話になっている佐藤裕介氏が去年の春、クラックの宝庫である昇仙峡に「情熱の薔薇(5.14b R)」を初登した記録からだった。
彼が歩んできた道をネットやRock&Snow等で読んできたが、本当に熱い。
大阪にてスライドショーを行った後、その様子を紹介している記事がいくつかあった。
それらを含め、モアイフェースに関するの記事を最後にまとめてみた。
ネットや本などで明文化されたものを読めるというのは、耳が聞こえない身として、本当に嬉しい限りだと思う。
その場にいた観客からすれば、情報や迫力的には100%ではないかもしれないが、記事からでも充分ひしひしと伝わる。
ルートを拓くにあたって、どういうスタイルで登るべきか、壁にボルドを打つべきかという辺りで、登る行為を他の誰よりも慎重に深く考えていると伝わる。
今まではボルダラーとして活動していて、室井登喜男氏がまとめた黒本という小川山ボルダーのトポを全てノーマットスタイルにこだわって完登していたようです。
去年からマルチを登り始め、いきなり14の世界にいる辺りは次元が違いすぎます。
ノーマットスタイルで登りきったその先は、アレックスホノルドのようなクライマーを連想してしまう。
2016年、どのような活躍を見せてくれるのか楽しみです。一人のファンとして応援していきたいです。