後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

中千丈沢アイス

2015年シーズンのアイス締めとして、上高地にある中千丈沢へアイスクライミングしに行ってきました。

当初は、大谷不動を考えていましたが、アプローチに時間がかかる(中千丈沢も2時間ほどかかりましたが)のと、氷結具合が不安、やさしめの課題がないのもあり、ネットで情報チェックしてみたところ、中千丈沢という面白そうなところにアイスがあることに惹かれました。

詳細は Rock&Snow の #46 にあります。Amazonで入手し、チェックしました。

アプローチの詳細も Rock&Snow に書かれていますので、ここは省きます。

大正池から眺める穂高連峰も曇り一つもなく絶景でした。友人曰く、そういう条件で撮れるのは稀だそうです。

パーティの中に、登攀経験がなくても安全にたどり着けるような南沢大滝と違って、急傾斜、道が不安定なところを歩くので、注意が必要だと思います。

改めて、岩壁のスケールの大きさをひしひしと感じながら歩いていきます。

色んな課題を観察しに、歩いていくとソロですでに入っていたクライマーもいたようです。

最初に、アップとして達磨ルート。

全体的にナメ滝で傾斜もゆるくアップにちょうど良い課題です。氷柱が立っている個所もあり、スタンスの再確認もよさげでした。

TR張る際に利用する終了点の立木の径が細いので、バックアップ等に気をつけるとよいかもしれません。

立木が登攀側に反り出ているので、ロープが外れるリスクもあるため、ラッペルの支点にはつかえなさそうです。

別のきちんとした立木へ移してラッペルした方が安全だと感じました。

友人も無事に初リードで登りきることもできたようです。

そろそろ時間も14時過ぎたので、最後の1本として「一角獣」か「ジョーズ」を検討した結果、3ピッチある「一角獣」へ。

「ジョーズ」は右、左のどちらか登るルートになっていて、見た感じでは、左側が脆そうでした。近くまで見てはいないのですが、ドライツーリング&アイスって感じがしました。

「一角獣」は1ピッチ目が70~80°の傾斜が20m程度あり、超えると台地の奥にある5m程度の氷柱にスクリュー2本でピッチを切る感じです。

2ピッチ目は、5mのバーチカルな氷柱を登って広い台地でボディビレイし、そこから最終ピッチが見えてきます。

3ピッチ目の全観は取付きからは観察できず、スケールの大きさからして南沢小滝+摩利支天大滝の下部+大同心大滝の上部って感じで、2段50mはあったと思います。

パートナーが1ピッチ目、2ピッチ目は私、3ピッチ目をどうするか検討したところ、おいしいところを譲ってくれました。パートナーに感謝!

3ピッチ目はスクリューの数が10本は必要と思われたため、最初の段を登らず、巻いて2段目から登る事にしました。

大谷不動もそれくらいスケールが大きいと思うので、チャレンジするまでスクリューをコツコツと貯めておかないといけないですね。

2段目の取付きからしてふつふつと大同心大滝の裏側から登った記憶が蘇ります。

その時はTRなので、とにかく身体を上へ持っていく事で精いっぱいで、フォームもままならない状態だったし、ロープテンションしまくりでした。

氷の弱点もなかなか見つからなさそうで、ピックでコツンとくぼみを作ってバイルを決めながら少しずつ登っていく感じでじわじわと詰めていきました。

無事にトップアウトできると、感慨ひとしおですね。

トップアウト後、左側に残置の終了点が2か所の立木で作られており、使わせていただきました。

まだ足のフットワークで安定できる立ち位置に慣れていないため、ハングが続くと厳しそうです。

今度は、「Z」や「ハバネロ」にチャレンジしてみたいです。

ご一緒に遊んでいただいた方、ありがとうございました。