後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

息子と赤岳へいってきた

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きっかけ

息子がどうしても去年行ってきた涸沢が心残りでそういった山行をしたいというので、それくらいのレベルで頑張らなきゃ登れないという山をリサーチした結果、谷川岳へ行く予定だった。

どうやって決めたか

結局梅雨前線が張り付いている状態だったので晴れそうで、似たような山をリサーチした結果、好きな八ヶ岳である赤岳へ決定。

山名 スタート地点の標高 頂上の標高 標高差
谷川岳 750m(土合口) 1977m(オキノ耳) 1227m
赤岳 1720m(美濃戸山荘) 2889m(赤岳) 1169m

難易度は同等で、赤岳の方が標高が3000mに近いので高山病になる危険性も孕んでいるので、体調の様子を見ながらゆっくりと歩いていく。

登ったルート

赤岳は今回で3回目で雪が解けた状態は初めて。

ルートは美濃戸山荘~南沢~行者小屋~文三郎尾根~赤岳~文三郎尾根~行者小屋~赤岳鉱泉~北沢~美濃戸山荘。

山と高原地図では行き3:50、下り3:30のコース。

  • 登り:美濃戸山荘~行者小屋(2:00)~赤岳(1:50)
  • 下り:赤岳~行者小屋(1:20)~赤岳鉱泉(0:40)~美濃戸山荘(1:30)

で、このルートの核心は文三郎尾根の取り付きから終点まで梯子や階段があり、その周りは斜面が急で踏み外しによる滑落の危険がある。

その後、文三郎尾根の終点から赤岳頂上までのルートは最初は斜面角度が55~60度近くある坂を登り、途中から岩場が現われる。

その岩場も、三点支持を意識した登りを行わないと、浮石等でバランスを崩して滑落しそうになるポイントが多い。

美濃戸山荘から出発、南沢を歩く

赤岳山荘から美濃戸山荘までは路面が山道同様。下手すると車の下をぶつけてしまうので注意しつつ運転。

美濃戸山荘付近は50台近くは止められる駐車場があり、駐車代は一日1000円。

前夜泊で6時に起床し、準備して7時に美濃戸山荘駐車場を出発。

美濃戸山荘から行者小屋までの山道は本当に瑞々しい森林地帯。

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緑豊かで、梅雨の時期だからなのか、潤しく感じる。

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阿弥陀岳北陵、北西稜の取り付き場所は整備された登山道からだとわからない。

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バリエーションルードだし、実際に観察しながら歩きたかったが、目的が赤岳登頂であり、今回は諦めてここからだろうなと地図を見ながら歩いていく。

行者小屋で休憩

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行者小屋に着いたら、初めて営業している雰囲気を見れた。

おでん、この小屋で売り出しているメニューのラーメン等が見られる。

小屋前は休憩ができる木製のテーブル、長椅子が10セットほど並べている。

そこに座って休憩。

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目の前の山景色をよく見ると文三郎尾根、赤岳の風貌が見られる。

文三郎尾根をよく見ると、梯子を上っている様子が見える。

左側に大同心、小同心らしき岩場も見られる。

右側の山は阿弥陀岳。

それらの景色を見つめながらレモンティーを飲みつつ息子とここまでの山行の感想を語り合う。

初めてクリフバーを口にした息子、気に入ってた。

しかし、帰り道に挑戦したエナジージェルはちょっと合わないようだ。

レモンティーを飲み干して文三郎尾根の取り付きへ。

文三郎尾根へ

文三郎尾根を登っていくと、階段が現われる。

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工事現場で見かけそうな階段。時々いまだに壊れそうな感じがする。

梯子もあり、鎖の手すりを手にかけながら登っていく。

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ちょっと曇りが自分に向かって移動してくる体験は子どもにとって怖いようだ。

何故?って聞くと「なんかね、自分を軽々と持ち去っていそうだもん」と。

なるほどなぁ、そういう感じで雲が迫ってくるのだからそう感じるのは無理もない。

雲の色も白っぽかったので、このまま登っていく。

途中で、階段にマムートのマークが。スポンサーとして協力しているのかも。

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赤岳へ

文三郎尾根をあがっていくと、徐々に赤岳頂上が近づいている頃に岩場が露出してくる。

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足場もしっかりしてくるが、途中で鎖も多く、浮石に注意しつつ登っていく。

昼過ぎにようやく頂上へ。

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赤岳の標高が刻まれた標識をバックにポーズ。息子と立てるということは本当に気持ち良い。

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もう帰ろうよと笑顔で語る息子、その笑顔が出ているうちはまだ力があるはずと信じて励ましてきたが君はすごいよ。

ありがとう、息子。よく頑張った。

少し昼休憩しようということで近くの赤岳頂上山荘に入って、200円の休憩料を支払って自炊。

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自炊できる場所は決まっているので、部屋の隅っこで休憩。

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友人のMSRリアクター。これは絶品。冬だとめちゃ便利になるはず。 夏場だとパワフルすぎて料理しにくいかも。

普段地上では味わえない頂上ラーメンを味わう。

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本当に狭い山頂に立派な山荘を立てるということは写真じゃわからないくらいすごいと感じた。

山荘の中に業務用冷蔵庫などデカくて重いものもあるし、どうやって運んだんだって。

建物の土台になっている石も綺麗にきちんと積み重ねられている。

小雨の中、岩場の下り

山荘で1時間ほど休憩し、赤岳鉱泉経由で美濃戸山荘まで下る準備をする。

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山荘を出たのは大体14時くらい。

下る道は急なので下手すると怪我してしまう。

岩をつかみながら足元もきちんと確認しつつ慎重に降りていく。

時には後ろ向きに降りたりする。(前向きより降りやすい)

行者小屋について、時間を確認し北沢経由で美濃戸山荘へ向かうとプラス30分はかかる。

仙台から参戦した友人がせっかくなので天気もまだ大丈夫なことから赤岳鉱泉へ向かう。

赤岳鉱泉

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雪がない状態の赤岳鉱泉は初めてだ。

建物自体は変わりない。テン場もそう。

一つ違うといえば、休憩するためのベンチや簡易小屋が立てられている。

赤岳鉱泉の管理人である柳沢さんが居られるかきょろきょろ探してみたがいなくて残念。

看板の前で記念写真を撮り、すぐ下る。

北沢を通って美濃戸山荘へ

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北沢は川沿いで降りるところは道がしっかりしていて迷うことはまずない。

堰堤広場から美濃戸山荘までの間にショートカットできる部分があるのでそこを通って下った。

無事に17時47分に美濃戸山荘へ到着。

記録

実際には休憩時間を除いた行動時間。

美濃戸山荘~行者小屋(2:10)~赤岳(2:20)

赤岳~赤岳鉱泉(2:05)~美濃戸山荘(1:50)

行き4:30、下り3:55

感想

息子と一緒に歩いた結果、山と高原地図のタイムと比較すると行きが1.7倍、下りが1.1倍かかった計算になる。

その倍率が1になるのはいつだろうかと楽しみにしている。

天気による不安があったが、こまめに天気予報を調べておいたので許容範囲内で行動できた。(雨が降ったのは数分だった。)

天気があまり崩れてない方が登りやすいし、息子も楽しかったようだ。

途中で帰りたいという声もあったが、頂上から見れる感動を見ずに下るの?とかあともう少し!君ならできる!とか励ましながら登って行ったのが良かったと思う。

ただ、無理せずに顔色を伺いつつ注意することも必要。

次はどこへ登ろうかな。

涸沢あたりか行けなかった谷川岳あたりに注目したい。