後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

初めての冬山、雌阿寒岳

冬山に挑戦

今迄経験がない、冬登山。

最初の冬登山に挑戦する山は何かすごく悩んだ。

予定が合わず、チャレンジするタイミングが2013年になったんだけれど、年末年始の休みの合間で登れそうな山になると、帰省先の北海道になる。

北海道と言えば大雪山という広大な山がある。

そこへ登るにはテン泊または小屋泊じゃないと厳しいルートになってしまう。

初めての冬山でしかも夏山未経験で今の私のスキルだとリスクがあるので候補から外した。

道東で日帰りで出来そうな山をリサーチした結果、阿寒湖を囲む山々があり、そのうち「雌阿寒岳」という山に決定。

登山口は標高710mで、頂上は1499m。標高差789mで、山と高原の地図の参考タイムでは、往復3時間40分なので日帰りで登りやすいという感触が決定の理由。

しかし、ネット上では厳冬期の雌阿寒岳登頂に関する記事が少なめで、持っている装備が充分なのか、寒さに耐えられるのかちょっと不安だった。

とにかく、冬山で必要な装備をネットや本などでリサーチしつつ、そろえていった。

持って行った装備はこちら。

  • 75Lリュック(ミレー)
  • ハイドレーションシステム
  • アイゼン(グリベル)
  • スノーシュー(MSR)
  • ピッケル(ブラックダイヤモンド)
  • ガスバナー(MSR)
  • 火除けカバー
  • マッチ
  • ライター
  • コッヘル
  • 箸、スプーン、フォーク
  • ヘッドライト(ブラックダイヤモンド)
  • ジャケット(パタゴニア)
  • アルパインパンツ(マウンテンインクリップメント)
  • アルパインブーツ(AKU)
  • スマホ用毛糸手袋
  • キャップ
  • 着替え下着類(靴下、パンツ)
  • 電子温度計
  • 充電器(2個)
  • iPhone
  • カイロ(2個)

各装備について詳しく書かないが、やはり何か講習とかでガイドから教えていただいた方が有益でムダがなく、モダンなやり方を知ることにも繋がる。

初めての冬山なので、持っていくべきもの、不要なものの区別ができていないため、無駄に多くのものを持って行ったように思う。

日帰りなのに、55Lのザックに15キロ近くは持って行っただろうか。

冬登山のリスクはやっぱり「雪」。

白銀世界で美しい反面、吹雪などの影響でルートを見失ったり、雪崩にあったりするリスクがいくつかでてくる。

天気予報から挑戦するか判断することにした。

登山当日

天気は快晴。午後から曇りの模様なので、決行。

実家を4時過ぎに車で出発し、雌阿寒岳温泉登山口へ向かう。

1月2日7時45分、雌阿寒岳温泉登山口を出発。

マイナス2℃で路面が硬めだったのでアイゼンを装備し、トレースを頼りに針葉樹林帯を延々と歩く。

雌阿寒岳は火山で硫黄の独特な臭いも麓まで漂う。

ようやく森林を抜け、広がる白銀世界に感動。ここで初めて雌阿寒岳のてっぺんを目にする。

しかし、人の気配を感じない。動物も残念ながら見当らない。硫黄が充満する山の宿命だからだろうか。

百名山の一つなので誰かがいるかと思ったが想定外だった。

針葉樹林帯をぬけて

針葉樹林帯を抜けると阿寒岳の山々が見渡せる広葉樹林帯に辿りつく。

後ろを振り向くとそこは釧路平野、釧路湾が見渡せるほど雲一つもなかった。

スノーシューに履き替えて、次の目的地の五合目まで白銀世界を堪能しながら歩く。

しかし地図を読み取るスキルが乏しく、頂上までのトレースが度なる強風で消しされ、ルート判断に時間がかかった。

地図を見ながら、慎重に登っていくと、八合目付近で登頂を果たした登山者に遭遇した。

装備がなかなか本格的で、GPSロガーも持っておられた。

頂上の場所を身振りで確認することができ、感謝。会釈して登頂へ向かう。

アイゼンに履き替え、八合目から歩くこと数分、ようやく1499mの雌阿寒岳に登頂。

登頂後

雄阿寒岳や阿寒富士を見渡せるかと思いきや、全然みられないくらい天候が悪くなっていった。

本来は雌阿寒岳経由で阿寒富士、オンネトーコース経由で登山口へ戻ろうと計画していたが、午後から天候が悪化するという予報だったので来た道を戻って帰ることにした。

折角なので、そこにある雪を沸かしてカップラーメンを食べてから帰ろうと準備するが、電子温度計ではマイナス8.9℃だったので中々お湯が沸かない笑

コーヒーまで味わえなかったことは心残りだが、ちょっと硬めな麺を堪能?して頂上を後にする。

完全なホワイトアウトになってしまい、トレースも完全に消えていて、スマホのGPSを頼りに行きの半分くらいの時間で登山口に無事に帰還。

初めての冬山の所感

初めての冬山だったが、1メートル以上積ることで少年期を過した経験から冬山の厳しさを少々ながらも知っていたことが大きい。

スノーシュー、アイゼン、ピッケルをそれぞれ思う存分、使えたことは良い経験だった。

今年も色んな山に挑戦し、自然を堪能できる年にしたいと思う。