後ろむいても何もないよ

攀じる意味を追求する日々

残雪期の富士山へ登頂してきた20140608

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富士宮口五合目から富士山へ登ってきた。 Mam、Ito、Mottiの3人で。

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今回で3日目の挑戦。 過去2回は体力不足、時間切れで敗退。 富士山は宿泊なしで登ると決めていてからまだ登頂成功できていない。 酸欠によって頭痛や吐き気がでてしまって、時間切れによる敗退が多い。

三度目の正直ということで、今回はどうだろうとItoの運転で富士宮口五合目へ。 7時過ぎに荻窪駅を発ち、10時半過ぎにつく。 支度して11時20分に駐車場を出発。

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静岡湾を見渡すと、ネオンがキラキラしてて、綺麗だった。 雪はあちこち残っていて、宝永山荘を過ぎたあたりは残雪を踏みながら登れる感じだった。 ここまでは順調。

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8合目あたりでMottiの足取りが厳しくなってくる。 万が一のことを考えて車のキーを渡して無理するなよと声をかけて先に行ったMamとItoを追う。 荷物が結構軽めなので順調に行けるが、徐々に頭が痛くなってくる。 高山病の前兆と分かっていたが、時間もあることだし、無理せず呼吸を整えつつゆっくりと歩きながら山頂へ向かう。

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富士宮ルートは初めてで、浅間大社奥宮らしき鳥居がみえるがそこが登頂なのかわからないもどかしさを持ちながら登っていく。 雪が残っているので鳥居などの目印が埋もれていてわからなくなることもあるからだ。

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しかし、残雪期の良いところは、雪が残っている部分を歩くことによってショートカットできること。 その代り、足場がたまに崩れやすいところもあるので、注意深くアイゼンを食い込ませるように歩く。 雪の上を歩くというのはがっちりした登山道を歩くとは違った体験ができる。

しばらく歩くと、下から程よいペースで歩く足を止めずに登っていく人が見かける。 あとから分かったが、その人が歩くルートは鳥居へまたぐのではなく、どうやら剣ヶ峰への直登ルートだったようだ。

鳥居まで近くなった時点で suntto の vector で高度をチェックすると、3776mまであと50mくらい。 そこまでは頭痛も収まり、呼吸も落ち着いてきた。 剣ヶ峰までまだ距離があることから地図を確認し、剣ヶ峰が左側にあることから鳥居は帰りに向かえばよいと思い、ルートを探し、そこへ歩く。 そんな時にItoが「鳥居をくくらずにむかったら…」と向こうから言ってきたが頭痛が増してきたのでそれはどうでもいいと思いつつ、剣ヶ峰へ向かう。

富士山の淵?についたときに目の前に現れたのが火口の内壁。 その内壁は想像していたものと全く違っていて、スラブじゃなくて、90度近くあり、外岩の壁と見違えるほど立派なものだった。 その時、今年の初めに起きた自衛隊員が火口へ落ちてしまった事故を思い出し、それじゃ落ちたらひとまず助かりそうにないとわかる光景だった。

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一呼吸し、剣ヶ峰への位置を地図で確認する。 右側に馬の背というゆったりとしたピークがあり、そこを超えると剣ヶ峰が見えるようだ。 注意深くアイゼンの爪を効かせつつ登っていく。 馬の背を越えたとき、研究所っぽい施設が見える。 その施設が剣ヶ峰?と不思議な気持ちでそこへ向かっていく。 どうやら人の気配がない。

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あとから調べてみたら「富士山測候所」という施設で、2004年に自動観測装置の設置により人が常在する必要がなくなり、測候所が封鎖されてしまったようだ。 2004年前まではその施設の一番上に富士山レーダーというドーム型のアンテナがシンボルだったようで、Itoが「あれ、ドームがない」と言ってた理由がわかった。 そのシンボルは現在富士山レーダードームという施設に移管して展示されている模様。

施設についた途端、剣ヶ峰という石碑がぽつんと立っていて、3776mと刻まれている。 ああ、登頂に立てたんだ。という喜びが湧かずに、ただ茫然と立ち尽くす。

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石碑を囲んで記念写真。

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逆光でベストな一枚を撮るのに苦労したが。

そろそろ降りようということで、ヒップソリでシリセードしながら降りていく。 しかし、100円ショップのセリアで購入したヒップソリ、途中で小さな石にぶつけただけでひびが入って使えなくなってしまった。

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子供用のそりなので、自分の体の大きさや後ろのザックがはみ出してしまい滑りにくい。 あきらめつつ、歩きながら下降すると歩く方が早かった。 もちろん、アイゼンは付けたままで。

降りながら感じたことは高山病っぽい症状が出てきて、吐き気がとんでもないくらい続いていて8合目の池田屋でぐったりとしてしまった。 Mam や Ito から「水あまりとってないからちゃう?」と。 今回の山行はできるだけ水を飲まずにやってみようと熱いレモンティーを入れた800mのテルモスだけ持って行った。 高山病にかかりやすい体質だと永遠にかかりやすいという話をよく聞く。 うまく付き合っていかなければならないようだ。。

高度を落とせば少しは症状改善できるんじゃないかなと、早足で降りてみたが吐き気が急激に表れ、収まるのを待ちながら一旦しゃがんでの繰り返し。 富士宮口の駐車場に着き、帰りの支度をしていた頃はいつの間にか症状がよくなっていた。 今度仮定として、月何回か3000m以上の場所で長めに留まっておいた後で、富士山に登ってみるとか。 それで高山病になりにくくなるかどうか検証してみよう。うーん、できるんだろか。

一緒に行ってくれた仲間たち、ありがとうございました!

だいたいのタイム

富士宮登山口(23:20)〜浅間大社奥宮(5:15)〜剣ヶ峰(5:45着、06:30発)〜池田館(7:30)〜富士宮登山口(8:40)

おまけ(昼食)

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